初めてのスキー

スキーってむずかしい?!

Pocket

ココ

この冬こそはスキーデビューしてみようと思うんだよね。

ワサビ

スキーって自然の中で爽快感を味わえる素敵なスポーツだよね

ココ

うん!でもなんだかむずかしそう

ワサビ

そう感じる人も少なからずいるのは事実だね。実際に「やってみたけど、思ったようにできなくて」って人もいるしね。

ココ

すごく楽しそうでやってみたい気持ちはあるんだけど、なにかいいアドバイスない?

ワサビ

スキーってのはある意味特殊なスポーツだからね。まずはむずかしいと感じる理由を考えてみよう。

スキーをむずかしいと感じる理由

  1. ツルツルすべる
  2. 足元が思うように動かない

①ツルツルすべる

スキーは道具を使って雪の上を滑走するスポーツです。なので「すべる」ということは当然なのですが、普段から「すべる」という感覚に慣れていないと、恐怖を感じるものです。

②足元が思うように動かない

みなさんも運動会などのイベントで、二人三脚という競技をやったことがあると思います。相手との呼吸が合わないと足元が思ったように動かないですよね。スキーは、上半身は何の抵抗もなく動かしやすいのですが、足元に関しては板が雪面からの抵抗を受けて動かしにくい状態で行うスポーツですので、バランスを崩しやすかったり、恐怖を感じたりしてしまうのです。


ココ

なるほど。だからスキーってむずかしいって感じるのね。

ワサビ

この2つの理由で、「怖い」と感じてしまうと余計に体が思うように動かなくなってしまって、負の連鎖が始まるんだ。本来は誰でも楽しめるスポーツなんだけどね。

ココ

じゃあどうすれば楽しめるようになるのかな?

ワサビ

むずかしいと感じる理由がわかったなら、どう対処すればいいか考えてみよう。

「スキーってむずかしい」を克服する方法

  1. 「すべる」という感覚に慣れる
  2. 「足元から動かす」ということを意識する
  3. 「こわくない」斜面で練習する

①「すべる」という感覚に慣れる

慣れるまでの時間や習得スピードなどに個人差はありますが、人は誰でも必ず慣れます。まずは平坦な場所でスキーを履いて、その場で前後に滑らせてみましょう。大きく動く必要はなく、ほんの数センチづつでも大丈夫です。この時にストックをついてバランスを取る手助けにしても構いません。それでも怖い人は片足づつスキーを履いてもOKです。要は、すべるという感覚に慣れ、「意図的にすべらせる」「すべりが止まる」という感覚を体に覚えさせることが重要です。慣れてきたらすべらせる量を少しづつ大きくし、また「すり足」のように滑らせながら歩くことへと段階的に移行していきましょう。慣れてくると、すべるということに抵抗や恐怖心がなくなり、楽しいと感じるようになります。

②「足元から動かす」ということを意識する

「すべる」ということに慣れてくると、「すべるからこそ、できる動き」を使えるようになります。たとえば初心者が止まるための「ハの字」もそうですよね。仮にすべらない地面で「ハの字」を作ろうとすると、相当な抵抗を受けてしまうので、むずかしいですね。「ハの字」を含め、スキーに何かを働きかける時、雪面から最も近い「足元から動かす」ことを意識してみましょう。上半身から動かすと思うように足元が動かず、バランスを崩してしまいます。具体的な練習方法としては、スキーを履いた状態で「8の字」を描くように歩いてみることから始めてみるとよいでしょう。その時に曲がりたい方向に上半身から入っていくのではなく、足元を向けていくことに注意しましょう。

足元から動かすという感覚になれてきたら、次はいよいよ「ハの字」を作ってみましょう。まずは。「ハの字」は大腿からその下を、骨盤の関節の中で内旋(内側に回す)させながら、体の外側に押し出すという動きでできます。上半身や腰を回してしまうとできない動きですので、まっすぐに前を向いたまま、まずは片足づつ練習してみましょう。足元の感覚を研ぎ澄ませて、雪の上をゆっくりすべらせることが大事です。片足で慣れてきたら、もう一方の足、そして最後は両足、という具合に「ハの字」ができるようになります。

③「こわくない」斜面で練習する

初めてのスキーでいきなりリフトに乗って、とりあえず滑りながら学ぼうとする人がいますが、人はこわいと感じると思うように体が動かせないので、練習にも集中できず、効率的とは言えません。それどころか、こうした行為は自分自身だけではなく、周りの人にとっても危険な行為です。平坦な場所で「ハの字」ができるようになったからと言って、いきなり斜面を滑ろうとするのはやめておきましょう。同行者の誰かにストックを引いてもらい、滑り出したら「ハの字」を使って止まるということから始めてみましょう。同行者がいない場合は、短い緩斜面の下が平坦になってる場所(何もせずに止まれるような場所)や、平坦な場所でストックを使い、自身を前に押し出してから「ハの字」で止まるという方法でも大丈夫です。

これに慣れてきたら、待望のゲレンデデビューです!ムービングベルトのある初心者用ゲレンデがあれば、そこから始めましょう。ムービングベルトが設置されていないのであれば、必然的にリフトを使うことになりますが、その際には「リフトの乗降の仕方」をリフト乗り場の周りにいる人から聞いて学びましょう。周りにいる方に聞いてみるのが恥ずかしいと思う方もいるかも知れませんが、スキー場にいる誰しも全員が、一度はあなたと同じ初心者だったというのが事実です。あなたが感じている「ゲレンデデビューへの緊張と不安」を一番理解している人達なので、あなたが初心者と分かれば、きっと親切に教えてくれるでしょう。リフト乗り場の係員さんに、「乗降の時は、リフトの動きを遅くしてください」と頼むこともお忘れなく。

いよいよ滑り出します!ここで一番大事なことは、「スピードが出る前に止まる」ということです。止まれない初心者の方の多くは「スピードに乗ってから止まる動作(ハの字)を急いで作る」傾向があるようです。そうではなく、「滑り出しからすぐに、少しづつ慌てずハの字を作ること」が大切です。これを何度か繰り返し、慣れてくると、徐々にハの字のタイミングを遅らせ、滑走スピードを上がっていくように、自然となっていきます。


ココ

なんだか私にもできるような気がしてきた!

ワサビ

「むずかしいと感じる理由」を理解し、「その対策」さえできれば、スキーは本来誰にでも楽しめるスポーツなんだよ。事実、僕がレッスンを担当した初心者の方のほとんどは、全くのゼロから1時間以内にリフトに乗ってスキーを楽しむことができるようになってるんだ。

ココ

身近にいる経験者から教えてもらうのもいいけど、スキー学校のレッスンを活用するというのもいいかもね!

ワサビ

その通りだね。初めが楽しくないと、続きにくいからね。

ココ

ワサビ君、ありがとう!スキー旅行が楽しみになってきた!

ワサビ

うん!楽しいお土産話待ってるよ!


いかがでしょうか?スキーはむずかしいと思う方もいますが、ちゃんと「正しく」練習すれば誰でも楽しめるスポーツなんですね。アメリカでは「Practice doesn’t make perfect. Perfect practice makes perfect. (練習するから完璧になるのではない。完璧な練習をするからこそ、完璧になれるのだ。)」と言う言葉があります。スキーも、正しい練習を少しづつでも積み上げていけば、あっという間に上達できますよ。コメント、ご質問お待ちしております。

ABOUT ME
ワサビ
2児の父。アメリカと日本を行き来する生活。 米国プロスキーインストラクター協会公認上級インストラクターとして、アメリカ西海岸のスキー場を中心に、レッスン、インストラクター研修などを手掛ける。 米大学にて心理学、特に児童発達心理学を専攻。そこで学んだことを生かし、インストラクターとしてスキー活動に従事するようになってからも、大人だけではなく、子供のレッスンも積極的に行う。 また近年では自身の両親にスキーを効率よく教えるため、シニア世代の指導を行う「シニアスペシャリスト」の資格を獲得。子供から大人、シニアまでのあらゆる年代、あらゆるレベルを対象にスキー指導を行う。 ワサビというニックネームは、名前を憶えてなかったアメリカ人同僚インストラクターが間違えて呼んでしまった際に反応したことがきっかけ。本人は実はワサビが少し苦手。 「このブログでは家族みんなでスキーを楽しみ、初心者から初級者、初級者から中級者、上級者へと上達していくために役立つ情報をできるだけ多く共有していこうと思っています。よろしくお願いします。」